この絵本の内容紹介あらすじ

鉄のゲージツ家クマさんの絵本
鉄くずの山に集められた、鉄たちがはじめたじまん話。ちっぽけな話、気のなが~い話、勇ましい話……。「絵本作家」クマさんの久々の絵本!

●「泳がせておく これに限るのだ」──井上陽水
製鉄の町、室蘭近郊で生まれ育ったから、篠原勝之は還暦をまえにした現在に至っても、鉄に囲まれて暮らしているのだろうか、といった疑問自体が、あかぬけていない。そんな単純な推測を軸に、彼を分析しようとするような者は、たいがいは田舎者で、羞恥心というものが欠落している。
それでは、石炭を産する筑豊出身の俺の家の庭に、ボタ山がないと話がイナセでないことになる。
泳がせておく、これに限るのだ。クマさんは遊ばせておけば、楽しそうにしているし、ひいてはそれが、世のため、人のためになっているのだから。