この絵本の内容紹介あらすじ

おじさんは、黒くて細くてぴかぴかの立派な傘を持っていました。出掛けるときは、その傘をいつも持ち歩きました。

絵本「おじさんのかさ」の一コマ

けれども、雨が降っても傘を差すことはありません。少しの雨なら濡れたまま歩くのです。

もう少し強い雨が降ると、ようやく傘を差すのかと思いきや……傘が濡れないように雨宿りをして過ごすのです。

それでも先を急がなければならないこともあります。そんなとき、おじさんはどうするのかというと……傘が濡れないようにしっかり抱いて走るのです。

雨が止まないときは「ちょっと失礼」と言って、知らない人の傘に入れてもらうこともありました。

その徹底ぶりには驚かされるばかり。おじさんは、どうしても大事な傘を濡らしたくないのです。

絵本「おじさんのかさ」の一コマ2

とても雨が強い日は、おじさんは出掛けるのを諦めて家の中で過ごします。強風で傘がひっくり返った人を窓から見ると、出掛けなくて良かったと安心するのでした。

傘を差すと楽しい!?

ある日、おじさんは公園のベンチに腰掛け、自慢の傘を見ながらうっとりしていました。汚れているところはないか、綺麗に畳まれているかを確認することも怠りません。

そうしていると、少し雨が降ってきました。そして、木の下で雨宿りしようと小さな男の子が走ってきました。

その男の子は、おじさんの立派な傘を見ると、傘に入れて欲しいとお願いしました。ところが、おじさんは少し上のほうを見ながら、聞こえなかったことにするのでした。

絵本「おじさんのかさ」の一コマ3

そんなとき——

「あら マーくん,かさが ないの,いっしょに かえりましょう。」

偶然にも小さな女の子が通りかかり、男の子は相合傘をして帰っていきました。

「あめが ふったら ポンポロロン あめが ふったら ピッチャンチャン。」

小さな男の子と女の子は、愉快で楽しい歌を大きな声で歌いながら帰っていくのですが、その声を聴いたおじさんは心を揺さぶられます。

雨の公園に響く楽しそうな歌声を聴くうちに、おじさんにある感情が芽生え……。

ピクトブック編集部の絵本談議

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雨が降っても傘を差さないなんて変わってるなぁ。傘は差してこそ意味があるよね!

ところで、おじさんは最後どうしたのかな?

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ちょっとだけ話すと、ついに傘を開いたんだよ♪ しかも、雨が楽しく感じられたんだよね♪

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普通、雨の日は憂鬱なものなんだけど、子ども達に出会えたことが素敵なきっかけになったのかもね。

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おじさんの心の変化が微笑ましかったなぁ。

傘を持っているのに雨宿りしているおじさんがいたら「もしかしてあのおじさんも?」と注目してしまいそう(笑)