この絵本の内容紹介あらすじ

『赤い星』と『青い星』の人々は、それぞれ幸せに暮らしていました。

ところが、ある頃を境に『赤い星』にも『青い星』にも不幸が訪れ……。

赤い星の物語

赤い星には、たくさんの人が元気に暮らしていました。毎日、滑り台やブランコやプールで遊んで笑い声が絶えません。

赤い星の人々は、遊ぶだけでなく、働くことも大好きです。工場で『火の種』を作ると、次はその種を畑に植えて大事に大事に育てるのです。火の種は暖かくないと育たないので絶え間なく火を灯します。

火の種を大切に育てると一日で骨つき肉が生えてきます。赤い星の人々は食欲旺盛で病気一つなく元気に暮らしていました。

ところが、ある頃を境に青い星から変なニオイが風に乗って流れてくるようになりました。それだけでなく、雨も降ってくるようになり、火の種が上手に育たず食べ物にも困るようになってしまうのでした。

青い星の物語

一方、青い星にもたくさんの人々が楽しく暮らしていました。本を読んだり、甘いフルーツの味がする海で泳いだり、とても充実した日々を送っていました。

青い星の人々は、考えたり、作ったり、調べたりすることも大得意。それから綺麗好きなので、いつもピカピカに掃除していました。

青い星の人々は、ゼリーを食べて暮らしています。青い木の実と海の水があれば、いろんな味が作り出せるので飽きることはありません。

ところが、ある頃を境に赤い星から煙が飛んでくるようになり、大切な海が汚れ始めます。それに加えて、赤い星は夜も明るく騒がしいので眠ることもできません。子ども達の笑い声も途絶えてしまいました。

そこで、青い星の人々は子ども達の元気を取り戻すために「水花火」を空いっぱいに打ち上げることにするのでした。

赤い星と青い星の争いが勃発!?

それぞれ幸せに暮らしていたはずの『赤い星』と『青い星』の人々は、だんだんといがみ合うようになって、しまいには争い始めるようになってしまいました。

それに加えて、二つの星の間に浮かぶ『黄色い星』を巡って争いは激しくなります。
赤い星の人々は黄色い星を『火の神様』と崇め、青い星の人々は黄色い星を『知識のライオン』と崇めていたのです……。


この絵本は「お互いにどうしたらよかったのだろうか」と読者に問いかけます。同じ世界の出来事なのに立場を変えると見え方がまったく変わる物語構成となっています。

赤い星のお話を読み終わったら絵本を逆さに回しましょう。すると、赤い星のお話は青い星のお話に変わります。

逆に、青い星のお話を読み終わったら絵本を逆さに回しましょう。青い星のお話は赤い星のお話に変わります。

今までになかった画期的な絵本をとおして「立場の違う人々が手を取り合って平和に暮らすにはどうしたらいいだろうか」と考えてみましょう。この絵本は、想像力だけが世界を救うと語りかけてきます。


絵本『さかさま』