この絵本の内容紹介
学校の帰り道、団地の前の公園に寄り道するのがタロウの日課。
まずは滑り台を滑って、次は鉄棒で逆上がりをしようとしていると……タロウの体を覆い尽くすほど大きい豹柄のパンツが上から降ってきました。
「おーい。こっち こっち!」
パンツが降ってきたかと思うと、次は野太い声が聞こえてきます。
タロウが上を見上げますが、そこには誰もいません。声の正体を見つけることはできませんが、団地の3階のベランダで似たような色の洗濯物が干してあります。
そこで、団地の3階の住人にパンツを届けることにしたタロウ。勢いよく階段を駆け上がります。
「ちょっと! しつれいだね。わたしが こんなに おおきな パンツを はくわけないでしょ!」
目星を付けた部屋にタロウがパンツを届けますが、その住人はパンツの持ち主ではありません。1つ上の階に住んでいる絵描きさんが、このパンツに似た色を使って絵を描いていると言うのです。
「ほーう。こりゃ わしのじゃないが、うつくしい いろじゃな」
タロウが絵描きさんのもとにパンツを届けてみますが、やっぱり持ち主ではありません。隣の隣にスペインから来た闘牛士が住んでいて、このパンツみたいな大きな布を振り回していると、その部屋にいたモデルさんが言いました。
そこで、タロウは闘牛士のもとを訪ねますが、やっぱり持ち主ではありません。その部屋にいた鳥が突然と喋り出し、3つ上の階にこのパンツに似たものを履いている住人がいるのだと言います。
ところが、この団地は4階建のはず……。タロウが廊下に出てみると、先ほどまではなかったはずの階段が、上に上にと伸びていたのです。
鳥が教えてくれた部屋に住んでいるのはゴリラ一家。似ているかと言えば似ていますが、ゴリラのパンツは豹柄ではなくバナナ柄でした。
他にもクモやカメレオンの部屋を訪ねてみますが、やっぱり持ち主ではありません。さらには、最上階の幽霊の部屋までも訪ねることになるのですが、タロウはパンツの持ち主を見つけることができません。
タロウが持ち主を見つけれずにいると、「こっち こっち!」と野太い声がまた聞こえてきました。そして、タロウは廊下へ飛び出し、声のする方へ向かうと……。
日常を過ごしていたはずのタロウは、いつの間にやら奇妙な世界へと迷い込んでしまいます。果たしてパンツの持ち主を見つけることはできるのでしょうか。そして、タロウは元の世界へ戻ることができるのでしょうか。