この絵本の内容紹介
くまの学校のくまの子達は、全部で12ひき。上から11番目まではみんな男の子で、最後の12番目が唯一の女の子ジャッキーです。
くまの学校にも長い休みが訪れました。その間、ジャッキー達は山の麓のコテージで暮らします。
コテージでの最初の朝、寝相の悪いジャッキーはベッドから転げて目が覚めました。それから、ジャッキーはフライパンをカンカン鳴らしてお兄ちゃん達を起こそうとしましたが、起きる気配は少しもありません。
暇を持て余したジャッキーが外に出てみると、いい天気のおかげで清々しい気持ちになります。しかも、なんだかいい匂いが漂ってくるのでした。
その匂いの正体は、遠くで煙突から白い煙を出しているパン屋さん。ジャッキーは、そのパン屋さんを目指して出かけ始めました。
「メープルパン ジャムパン ミルクパン ワッフル ベーグル クロワッサン♪」
ジャッキーは大きな声で陽気な歌を歌いながら、森の中をスキップしながら進みます。
坂道では、大きな葉っぱに乗って草スキー。
ところが、勢い余って茂みに突っ込んでしまうのでした。
そんなこんなでジャッキーが茂みから出てくると、ひとりの女の子と遭遇します。
その女の子の名前は、ケイティ。ジャッキーはケイティの家に招待されてついて行くと、なんとそこはジャッキーが目指していたパン屋さんだったのです。
ジャッキーとケイティは、一緒に沢山遊んですっかり仲良し。ケイティのパパが焼きたてのパンも振舞ってくれるのでした。
翌日、ジャッキーとケイティは近くのお花畑に出かけました。空に向かって真っ直ぐ元気に咲いているここの花がケイティは大好きなのです。
ケイティは、その大好きな花を摘んで花冠を作ると、ジャッキーの頭に乗せました。
「わー おひめさまみたい!」
そうケイティが言うと、ジャッキーは大喜びです。
ところが、しばらくすると突然の雨に見舞われてしまいます。ジャッキーとケイティは、雨に濡れながら慌てて家に帰るのですが、帰り着くころにはケイティはぐったり。高熱で具合が悪くなってしまうのでした。
ケイティは小さい頃から体が弱く、それで空気の新鮮なこの森に引っ越して来たのです。ケイティのパパは、ケイティをベッドに寝かせながらそう教えてくれるのでした。
友達想いのジャッキーは、ケイティが元気になるまで毎日お見舞いに行こうと決めました。
そして次の日、ジャッキーはお気に入りの物を沢山持ってケイティのお見舞いに行きます。帰り際、ケイティの大好きな花を摘んで明日はお見舞いに行くとジャッキーは約束しました。
ところが、ジャッキーがお花畑に行ってみると、そこに咲いていた花は見当たりません。昨日の雨で花は全て流されてしまったのです。
ジャッキーはそれでも諦めず、今度は町のお花屋さんに行きます。そして、ケイティの好きな花が咲いている場所を教えてもらうと一目散に向かうのでした。
ケイティの大好きな花が咲いているのは山の向こう側。苦労しながらも、なんとか山を越えたジャッキーの目の前には、一面のお花畑が広がっていました。
ジャッキーは両手一杯に花を抱えて、山を越えてケイティのもとへと急ぎますが・・・。急ぐあまり、両手から花はこぼれ落ちて、いよいよ最後の花びらさえも落ちてしまいました。ジャッキーはいよいよ泣き出してしまいそうです。
そんな時、ジャッキーのピンチを救ったのは、ケイティのパパとお兄ちゃん達。ジャッキーのことを心配したお兄ちゃん達は、ジャッキーに気づかれないように後を追いかけていたのです。
ケイティのパパとお兄ちゃん達は、あっと驚く意外な方法でジャッキーのピンチを救います。その方法とは……読んでからのお楽しみ。