この絵本の内容紹介
あるところに、やまびこ村という小さな村がありました。その村の中心にあるのは、かっぱ池。世界で一番綺麗な池です。かっぱ池という名前のとおり、カッパが住んでいます。
ところが、このかっぱ池に住んでいるカッパの頭には皿がありません。代わりに、頭には綺麗なお花が咲いていました。
池の中から出てきたのは、はなかっぱ君。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんと暮らしています。
お父さんの頭に咲いているのは大きなヒマワリで、お母さんの頭には可愛いタンポポが咲いています。おじいちゃんの頭に咲いているのは蓮の花で、おばあちゃんの頭にはかすみ草が咲いています。
はなかっぱ君の頭の花が綺麗に咲いているのは、かっぱ池の綺麗な水のおかげです。もし、かっぱ池の水が汚かったら……頭の花はあっという間に枯れてしまいます。
はなかっぱ君の頭の花が綺麗に咲いているのは、やまびこ村の空気が綺麗なおかげでもあります。緑豊かなやまびこ村は空気も綺麗なのです。もし、やまびこ村の空気が汚かったら……頭の花はあっという間に枯れてしまいます。
はなかっぱ君にとって、かっぱ池の綺麗な水も、やまびこ村の綺麗な空気も、とっても大事なのです。
おじいちゃんは、かっぱ池の水が綺麗かどうか毎日調べています。頭に咲いている蓮の花がパッと咲いたら、水が綺麗な証拠です。
おばあちゃんは、空気のことなら何でも知っています。頭に咲いているかすみ草に空気が当たるだけで、100日後の天気まで分かってしまうのです。
お父さんは頭に咲いたヒマワリに種ができるとパラパラと撒き始め、お母さんは頭に咲いたタンポポに綿毛が成ると風に乗せて遠くに飛ばします。
頭に咲いた花にはそれぞれ役割がありますが、はなかっぱ君の花にはまだ役割がありません。まだ名前もない花なのです。
「おまえが おおきくなって、なりたい じぶんに なれたときに、はじめて どんな はなに なるのかが きまるのじゃ、たのしみじゃのう」
はなかっぱ君は、おじいちゃんに頭の花のことを聞くと、自分の花がどんな花になるのか興味津々。そこで、どんな花が咲いて欲しいか友達に相談しに行くのですが……。