この絵本の内容紹介
きつね親子の住むところにも冬がやってきました。子ぎつねが外に出ようとすると、あたり一面雪景色。初めての雪に、子ぎつねは困惑しながらも遊びに出かけていきます。
子ぎつねが外から帰ってくると、冷たい雪で手が牡丹色に。それを見た母ぎつねは、手袋を買いに町へ行こうと考えました。
さっそくその日の夜、きつね親子は真っ白な雪に照らされながら夜道を歩き、町へと出かけていきます。
町の街灯が見えてくると、母ぎつねは昔の嫌な出来事を思い出します。友達ぎつねと町に遊びに出かけたときのこと、友達がイタズラをしたので町の人に散々追いかけ回されたのです。そして、命からがら逃げたというのです。
子ぎつねは早く町へ向かおうとしますが、母ぎつねは嫌な思い出が蘇って足が竦んでしまいます。
そして迷った挙句、子ぎつねをひとりで町へ送り出すことにしました。母ぎつねは、子ぎつねの片手をしっかり握ると、人間の手に変化させました。
子ぎつねが人間の手になった自分の手を見ながら不思議そうにしていると、母ぎつねが人間の恐ろしさを教えます。人間は相手がきつねだと分かると手袋を売ってくれず、それどころか捕まえて牢屋の中に閉じ込めてしまうと言うのです。
きつねだと気づかれないように、まず、お店に着いたらドアをノックし、それから「こんばんは」と挨拶。ドアが開いたら人間の手だけを出して、手袋を買うようにと母ぎつねが教えます。
母ぎつねが教えたとおりに子ぎつねは手袋を買ってくることができたのでしょうか。きつね親子の会話、雪の質感、夜の灯しびなど幻想的で温もりの伝わってくる絵本です。