この絵本の内容紹介
今は昔、京の都に、妖怪などのもののけが出るといううわさの屋敷がありました。長いあいだ、うちすてられていましたが、あるとき、国のだいじな仕事をしている宰相が、その家を買いたいと言いだします。まわりの人がどんなにとめても、宰相は耳をかしません。とうとうひっこしをしてしまいました。住みはじめるとさっそく、あやしいことがおこります。庭にうめられていた鍋が人の形になってあらわれたり、夜中に小さなおじいさんがあらわれて、寝ている人のほほを冷たい手でなでたり、天井の格子に何十という人の顔があらわれたり……。『今昔物語集』に収められた4つの説話をもとにした創作絵本。平安時代の人々がゆたかな想像力で生みだしたさまざまな怪異は、現代のわたしたちをも驚かせます。