この絵本の内容紹介あらすじ

「ぐあーっ、ぐおーっ! ぐあーっ、ぐおーっ!」

子ども達に大人気の『おにがはら公園』は、いつも大きなイビキの音が響いています。そして、大勢の子ども達が、ブランコ遊びをしたり、滑り台で遊んだり、ボール遊びをしたり、思い思いに遊んでいました。

絵本「こうえん」の一コマ

この楽しい公園には、一つだけ気をつけなければならないことがありました。それは、大きなイビキの音が「うーん、むにゃむにゃ……」という声に変わったら、大急ぎで逃げなければならないということです。

なぜなら、『おにがはら公園』は鬼のお腹の上にある公園だからです。「うーん、むにゃむにゃ……」という声は、鬼が目覚める前兆なのです。

しかしながら、そうして鬼が目覚めても、またすぐに眠ってしまいます。「ぐあーっ、ぐおーっ!」というイビキの音が聞こえてくると、また子ども達は戻ってきました。そして、何もなかったかのように思い思いに遊び始めました。

ところがあるとき、一人の男の子が転んで逃げ遅れてしまい、とうとう鬼に捕まってしまいます。鬼に摘まれた男の子は、「うわーん! うわーん!」と大きな声で泣いてしまいました。すると、不思議なことに「うおーん! うおーん!」と鬼も大きな声で泣き始めたのです。

絵本「こうえん」の一コマ2

一体、鬼はどうしたというのでしょう。

最後は、とても楽しい公園が、さらに楽しい愉快な公園になります。


大勢の子ども達が、思い思いに遊んで、鬼が起きたら逃げて、鬼が眠ると戻ってきて……。この予想外の構成で描かれた繰り返しの絵本です。

鬼の大迫力の表情や仕草に、面白みを感じたり、恐れを感じたり、見る人によって印象が異なることでしょう。このお話の隠れたテーマは、『見かけの違いをこえて出会うことの豊かさ』です。