この絵本の内容紹介あらすじ

国と国の喧嘩のことを戦争と言います。

「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」

戦争は、この誰かの言い訳から始まるのです。そして、人殺しの道具を売る武器商人を儲けさせます。

戦争は、一度始まると誰にも止められません。始めるのは簡単ですが、終わらせるのは困難なことなのです。

絵本「戦争と平和を見つめる絵本」の一コマ

戦争は、兵隊もお年寄りも子どもも苦しめます。人々の手足を痛めつけ、心までも引き裂きます。

「わたしの こころは わたしのもの」
「だれかに あやつられたくない」

「わたしの いのちは わたしのもの」
「だれかの どうぐに なりたくない」


『自由と平和のための京大有志の会』は、日本と世界の国々が平和で自由な社会であるためにはどうすればいいのかを共に考え、学び、思いを声にして、行動していくことを目的に、2015年7月に京都大学の学生と教員が中心となって設立されました。

そしてこの絵本は、その団体が発表した声明書の子ども語訳として描かれます。子ども達の「戦争やめて」という心の叫びが伝わってきます。

自由と平和のための京大有志の会 声明書全文

戦争は、防衛を名目に始まる。
戦争は、兵器産業に富をもたらす。
戦争は、すぐに制御が効かなくなる。

戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。
戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。
戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。

精神は、操作の対象物ではない。
生命は、誰かの持ち駒ではない。

海は、基地に押しつぶされてはならない。
空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。

血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、
知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

学問は、戦争の武器ではない。
学問は、商売の道具ではない。
学問は、権力の下僕ではない。

生きる場所と考える自由を守り、創るために、
私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。

出典:自由と平和のための京大有志の会