この絵本の内容紹介
お日様が照りつける真夏、スイカはすっかり熟しています。
突然、熟したスイカがひとりでにパカっと割れると、いよいよスイカのプール開き。そこへ最初にやってきたのは、麦わら帽子を被った白髪のお爺さんです。
お爺さんは大きなスイカの皮に梯子を掛け、赤い実のある断面まで登ります。それから、サックサックと断面を歩きながら種を取り除くと、そこには美味しそうなスイカジュースが……。
暑い夏を迎えると、あちこちの村でプール開きが行われます。隣の村はヤシの実プールで、こちらの村はスイカプール。昨年は種が多くて泳ぎにくかったスイカプールですが、今年のプールは見事な出来です。一番乗りのお爺さんは、スイカジュースに気持ち良さそうに浸かりました。
その頃、水着を着た子ども達が浮き輪を持って田んぼ道を駆け抜けます。目的地はもちろんスイカプール。大はしゃぎで駆けていくと、待ちに待った楽しい一日がいよいよ始まります。
気づけば、スイカプールには大勢の子ども達が集まりました。赤い実の断面を子ども達がピチャピチャ足踏みするうち、赤くて透き通ったスイカジュースが滲み出ます。そしてジュースが溜まっていくと、いよいよプールらしくなってきました。
お日様の照りがさらに強くなった頃、毎年恒例の雲屋さんがやってきました。今年も『雲のパラソル』や『雨雲シャワー』が大人気です。
夏と言えば、スイカとプール。その二つを掛け合わせた、賑やかで可愛らしいお話です。奇想天外な発想ですが、本当にあったら良いのにと感じてしまいます。
夏のうだるような暑さとプールのひんやりとした涼しさ、この両方ともを感じられます。スイカの質感も見事に表現されており、絵本の中に本物のスイカがあるよう。現実と空想を行き来するような、そのなかで子ども達が生き生きと遊ぶ姿が描かれます。
絵本を読んだ後は、暑い夏に、プールに出掛けたくなること間違いなし。美味しいスイカも食べたくなることでしょう。