この絵本の内容紹介
カエルのカルルは、小さな公園池で家族仲良く暮らしていました。満点の星空に照らされた光のテーブルを囲んで、カルルは家族みんなと夕御飯を食べます。
跳ぶことが得意なカルルは、自分が一番高く跳べると自慢気な様子です。
ところが、そんなカルルを見たカラス達は「キミよりもっと高く跳べるカエルなんていくらでもいるよ」と大笑い。隣の国で開催されるカエルとびコンクールには、カルルよりも高く跳べるカエルがいると言うのです。
カルルは、カラス達の言葉にムッとすると、カエルとびコンクールで優勝するのだと決意します。家族みんなが止めるのも聞かず、小さな公園池を飛び出して隣の国へ旅立つのでした。
それから何日も何日も歩くと、ようやく隣の国に辿り着きます。一年に一度のコンクールに優勝すると特別なカエルになれるということもあって、大きな公園池には各地からカエル達が集まっていました。
カルルも他のカエル達に負けじと跳んで見せますが、「そんなんじゃコンクールに出ることもムリだね」と笑われてしまいます。自分が一番だと思っていたカルルはショックを受けますが、そんなときお父さんの言葉を思い出したのでした。
「おとこは、いちどきめたら、さいごまであこらめるな」
その言葉を胸に、カルルはカエル跳びの練習に毎日励みました。一番高く跳んでいるカエルを見て研究したり、他のことを忘れて跳ぶことだけを考えて生活しているうちに少しずつ高く跳べるようになったのです。
昨日より今日、今日より明日。そうやって何年も練習に励み、遂にカエルとびコンクールで優勝する日がやってきたのです。最年少での優勝にカルルは大喜び。
それ以来、カルルはみんなの人気者になりました。立派な洞穴に住み、召使いが何人もいて、何不自由ない生活を手に入れたのです。
ところが、カルルは星空を眺めながら何か物足りなさを感じます。
そして、光のテーブルで食卓を囲んだ家族のことを思い出しました。家族と過ごしたかけがえない日々を思い出したのです。
いてもたってもいられなくなったカルルは、何不自由ない生活を捨てて家族のもとへ帰ることにしたのです。
ところが、何年も経ってしまったので道を思い出すことができません。探しても探しても知っている景色を見つけることができないのです。疲れ果てて座り込んでしまったカルルですが、無事に家族のもとへ帰ることはできたのでしょうか。