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童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」などの作詞で知られる。
明治42年、山口県に生まれる。5歳の時、父親の仕事で家族が台湾へ移り住み、ひとりだけ祖父の元に残された。その時のさみしさや孤独が、詩作の原点となったという。10歳で家族のいる台湾へ移住。25歳の時、雑誌に投稿した童謡の詩が北原白秋に認められ、童謡の詩の創作に本格的に取り組み始める。昭和18年に徴兵され、フィリピン、インドネシアなどを転戦。シンガポールで終戦を迎える。童謡「ぞうさん」の歌詞を書いたのは昭和26年。NHKのラジオで放送され全国に広まった。その後も、独自の感性で「生きること」「存在すること」の不思議と尊さを詩にしていく。
戦後50年近くたって出版した全詩集では、戦時中に書いた戦争協力詩もあえて収め、そのあとがきのすべてを割いて謝罪の言葉を綴った。85歳で児童文学のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞を受賞。100歳を過ぎても詩作を続けた。やさしく深い言葉に込められた、まっすぐな思いが語られる。
掲載数:26冊